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設計プロセスの革新化そして効率化へ
ノイズ解析を反映できるEMC設計プロセス
《試作段階から無駄を省くシミュレーション適用》
講座概要
機器・装置の設計・製造の現場においてEMCは避けて通ることはできない課題です。そのためEMC設計のための情報は学会誌、業界誌、ハウツー本、WEB等で多数紹介されています。しかし、そういった情報は実際の現場のEMC設計としてどれほど活かされているでしょうか?
例えば既存のPI/SIといった検討ではノイズを解析するに留まり、製造前のEMC設計のツールとしては不十分といえます。
理想的なEMC設計としては、機器・装置の設計が回路図やCADといった電子情報の状態(Digital)でEMCの検討がなされ、実際の製造物(Physical)に反映されるべきです。
これは、昨今のDXをはじめとするDigitalデータ活用による設計・製造プロセスの改善及び・効率化の要求にも沿った考え方です。
本セミナーで紹介する「PD/SD」は、学術的な背景に基づいたモデルを用いてシミュレーションを適用することで、EMC設計に関して定量的な検証・解析が可能でかつノイズ低減に関わる情報を取得することもできます。さらに、これらの効果を回路基板設計に反映させるためのWDを提案いたします。
シミュレーションの実施自体は回路図設計段階で行うことができ、MBD(Model Based Development)によるSPICE系ツールを利用しますので、3D系電磁界シミュレータ利用時に比べると、短時間かつ安価での検討が可能です。
市販のシミュレータではあまり取り扱われていない回路基板間を接続するハーネス・ケーブルへの「PD/SD」の適用方法についても教示します。
期待される効果
- 今までのEMC関係の学会誌・業界誌にはない新たなEMC設計及びノイズのメカニズムを理解でき、その実施すべき事項を習得することができる
- 特に回路設計者にとって具体的にやるべきことが明確になり回路設計者自らEMC設計を実践することができる
- EMC課題に対して、”勘と経験の出たとこ勝負”ではなく”事前にやっておくべき事“が分かるようになり、各メーカ様の現場でのEMC設計プロセスの見直しのトリガーになれる
主な受講対象者
- 機器・装置設計にEMC設計を実装したいと考えているメカ・エレキの技術者
- 電磁界シミュレーション、回路シミュレーションをEMC設計に活用したいと考えている技術者
- 機器・装置のEMC対策を行っている製造現場のEMC技術者
セミナープログラム(予定)
1.電源ラインのEMC設計のためのPD適用
1.1 PD適用の基本形 (回路図を参照して行います)
1.2 回路基板間接続ケーブルの電源ラインで行うべき設計(パスコン等回路部品の使い方)
1.3 PD評価の傾向2.信号ラインのEMC設計のためのSD適用
2.1 SD適用の基本形 (回路図を参照して行います)
2.2 基板間接続ケーブルの信号ラインで行うべき設計(ダンピング抵抗等回路部品の使い方)
2.3 SD評価の傾向3.回路基板のパターン設計WD ~意味ある検図の進め方のご提案~
3.1 WDの基本的な進め方(A/W設計の検図のプロセスを有効にします)
3.2 設計ルール例 回路部品の配置法 (直近配置は必須なのか?)
3.3 設計ルール例 グランドVia配置法 (配置間隔にルールはあるか?)
3.4 設計ルール例 デジ・アナ分離法 (GND分離は禁止!では?)4.EMC設計 技術&学術(高周波回路学・電磁気学 シミュレータを使って解説)
4.1 ノイズのメカニズム (コモンモード/リターン電流の考え方を再考)
4.2 ノイズ輻射のメカニズム (なぜノイズ電流が機器外部に放射されるのか?)5.その他の押さえるべきトピックのご紹介
ESD/雷サージ/DC-DCコン等6.質疑応答
講師プロフィール
林 克彦(はやし かつひこ)
EMC設計イノベーション.com 代表
- 1984~2005:TDK株式会社
電波吸収体の設計/高周波デバイスの開発/高周波デバイス実装に関する開発 などを担当 - 2005~2020:セイコーエプソン株式会社
RF-CMOS ICの開発/高周波プラズマデバイスの開発/機器EMC-Simに関する開発 などを担当 - 2021~:株式会社EMC設計イノベーション設立(現在 設計イノベーション.com)
特許出願件数 約260件
IC関係及び各種SPICE系Sim、電磁界Simのオペレート経験あり
2004年:高周波デバイスに関する研究で工学博士号取得
2011年:iNART EMCエンジニア取得