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薄膜形成・品質制御の高度化から先端分野の最新活用事例まで
薄膜技術の高度化と素材・デバイスへの応用の最新動向
セミナー詳細
セミナーについて
真空技術および真空成膜技術は、半導体などの電子デバイスや機械部品の表面機能化のために広く活用されている大変重要な技術です。医療機器や家電、自動車、航空・宇宙など、今後注目される分野においてもますますその活用が見込まれます。
近年の薄膜技術は、装置や材料の進歩が目覚ましく、高品質化を実現しています。しかし薄膜に対する技術的要求もさらに高くなっています。新しい用途や薄膜構成を開発し量産化しようとすると、品質トラブルが発生しやすくなります。高いポテンシャルを持つ真空成膜技術を真に使いこなすには、真空成膜の原理と高品質化の基本を理解して、高い特性や性能を実現しつつ不具合を防止していく必要があります。
本講座では、真空技術および薄膜技術の基本と、各種薄膜技術の原理を紹介し、薄膜の設計から高品質化・不具合対策まで、重要なポイントを解説します。
後半では、医療機器や家電、建材、自動車、航空・宇宙など、今後注目される分野を中心に、薄膜技術の最新の応用事例を技術原理の解説とともに紹介します。
金属やガラスからのプラスチックへの代替、バイオミメティックス(生体模倣)による表面機能付与、IoTへの活用が期待される薄膜電池・センサ・デバイスなど、応用分野は限りなく広がろうとしています。新しい時代のものづくりに必須の薄膜技術の開発活用に役立てていただけると幸いです。
主な受講対象者
- 薄膜の技術開発に携わる方
- 製品の高度化・高機能化に薄膜を利用する方
受講するメリット
- 薄膜技術の原理と機能性付与の基本を学ぶことができる
- 薄膜の様々な生産課題への対処方法を知ることができる
- 薄膜の技術応用に有用な知見や事例を知ることができる
セミナー内容
1.薄膜形成に関する基礎知識
1.1 薄膜とは何か ~定義、機能~
1.2 薄膜の成長過程
1.3 真空・プラズマ技術の基本
1.4 真空蒸着法の原理
1.5 スパッタリング法の原理
1.6 CVD(化学的気相成長)法の原理
1.7 液相系薄膜形成法の原理
1.8 新しい薄膜形成技術の原理
1.9 薄膜の前処理と後工程2. 薄膜の設計と機能評価・モニタリング技術
2.1 薄膜の設計・開発の進め方
2.2 薄膜の膜厚測定、膜厚の均一化
2.3 薄膜の光学特性の測定、高度化および安定化
2.4 薄膜の電気特性の測定、高度化および安定化
2.5 薄膜プロセスのモニタリング手法
2.6 薄膜の組織観察、成分分析法
2.7 膜硬度、表面物性、応力、結晶構造の評価
2.8 外観不良・微小欠陥の検査と改善法
2.9 密着性・信頼性の評価と改善法3. 薄膜技術の高度化と素材・デバイスへの応用
3.1 半導体・電子部品・記録材の素子・配線・接合用薄膜
3.2 装飾・カラーリング・光学機能を変える構造膜
3.3 特殊機能を付与するバイオミメティック薄膜
3.4 建材・航空宇宙への応用が進む熱・電磁波制御薄膜
3.5 自動車・FPD等で用途拡大するガスバリア薄膜
3.6 次世代モバイル用フレキシブル薄膜
3.7 車載用の異形・曲面ディスプレイ、タッチセンサ用薄膜
3.8 ウェアラブル・IoT・通信のセンサ用薄膜
3.9 医療、バイオ、エレクトロニクスで進展する有機薄膜
3.10 その他用途拡大・高度化が期待される薄膜4.質疑応答
標準実施時間 5時間+休憩1時間
講師プロフィール
大薗 剣吾(おおぞの けんご)
アイアール技術者教育研究所 所長
技術士事務所 ソメイテック 代表
加飾技術研究会 理事
(公社)日本技術士会 会員、(一社)表面技術協会 会員
大手印刷会社にて、電子デバイス・半導体・機能性フィルム技術に携わり、蒸着、スパッタ、めっき、リソグラフィ、エッチング、コンバーティング、表面分析などの技術を幅広く経験。
機能フィルム開発、ドライ&ウェットプロセスの問題解決、装置導入から立ち上げまでのエキスパート。
生産技術における、製品特性、外観、信頼性、稼働率、メンテナンス性、コストの最適化を得意とします。
また、様々な機関で研修講師を務めるなど、技術者教育/人材育成にも携わっています。