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核融合方式・核融合炉の基本と技術動向が1日で分かる!
超伝導マグネットなど注目技術もわかりやすく解説
核融合技術の基礎と研究開発最前線
《フュージョンエネルギー実現への課題と展望》
講座概要
「核融合」は太陽をはじめとする星々を恒久的に輝かせているエネルギー源です。これを地上で実現できれば「人工太陽」としてエネルギー問題を解決する切り札となるだけでなく、地球温暖化を抑制する究極の対策として期待されます。
2040年代からの商業発電を実現するため、現在、国家プロジェクトを中心とした原型炉設計が進むとともに、民間スタートアップ企業が多数立ち上がり、小型小出力核融合の早期実現を目指した新しい展開が始まっています。
本講演では、核融合研究の現状と将来展望についてわかりやすく説明します。特に、核融合炉の主要構成機器の動作原理や課題を解説します。
磁場閉じ込め核融合炉の心臓部となる超伝導マグネットについては、高温超伝導技術の最新の動向や将来展望についても紹介します。
様々な核融合方式 と将来展望、技術開発のボトルネックとどのような点でブレークスルーが必要であるかを合わせて知ることで、ロードマップ上の正しい現在位置と今後の方向性を把握することを目指します。
期待される効果
- 核融合研究開発の現状に対する現状の理解
- 核融合開発に必要とされる機器や技術に関する理解
主な受講対象者
- 核融合に関する最新の技術動向・課題を把握されたい技術者の方
- 核融合に関する業界への新規参入を検討されている方、投資を検討されている方
- 核融合やプラズマ工学に関連する装置や部品等を扱う企業の技術者、営業・マーケティング担当者の方
セミナープログラム(予定)
1. エネルギー問題・環境問題
1.1 世界のエネルギー問題
1.2 地球環境問題(地球温暖化)
1.3 地球環境問題(地球寒冷化)2. 各種のエネルギー源
2.1 再生可能エネルギー
2.2 原子力(核分裂)エネルギー
2.3 核融合と他のエネルギーの比較
2.4 水素エネルギー社会と核融合3. 核融合反応
3.1 核融合と核分裂
3.2 地上における核融合
3.3 プラズマとは?4. プラズマの閉じ込め
4.1 プラズマを閉じ込める二つの方法
4.2 磁場閉じ込め核融合の原理
4.3 トカマクとヘリカル5. プラズマ物理
5.1 荷電粒子の運動
5.2 閉じ込めと輸送
5.3 電磁流体力学的安定性
5.4 乱流6. 国際熱核融合実験炉ITER
6.1 世界の核融合実験装置
6.2 ITER計画
6.3 幅広いアプローチ活動(ITER/BA)
6.4 JT-60SAトカマク装置7. 核融合原型炉設計(トカマク型)
7.1 JA DEMO
7.2 EU DEMO8. ヘリカル型核融合
8.1 大型ヘリカル装置LHD計画
8.2 LHDの超伝導マグネットシステム
8.3 LHDのプラズマ実験
8.4 ヘリカル型核融合炉設計FFHR9. 核融合発電
9.1 核融合発電の仕組み
9.2 核融合炉の安全性10. 核融合炉工学
10.1 核融合炉の主要コンポーネント
10.2 核融合炉材料
10.3 ブランケット
10.4 ダイバータ
10.5 トリチウム処理11. 超伝導マグネット
11.1 超伝導とは?
11.2 高温超伝導
11.3 超伝導の民生機器応用開発の現状と将来12. 核融合スタートアップ
12.1 核融合スタートアップの興隆
12.2 世界の核融合スタートアップ
12.3 日本の核融合スタートアップ13. 世界の核融合開発戦略
13.1 米国の戦略
13.2 英国の戦略
13.3 中国の戦略
13.4 日本の戦略14. 核融合炉の早期実現に向けた今後の課題
14.1 プラズマ物理の課題
14.2 核融合工学の課題標準実施時間 6時間+休憩1時間
講師プロフィール
柳 長門(やなぎ ながと)
自然科学研究機構 核融合科学研究所 教授
1989年京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻博士後期課程中退、核融合科学研究所助手。
2014年より教授。総合研究大学院大学 核融合科学コース教授併任。東北大学大学院工学研究科客員教授。
2017年度より2022年度まで、核融合科学研究所核融合工学研究プロジェクト研究統括主幹。
大型ヘリカル装置LHDの超伝導ヘリカルコイルの研究開発・建設・運転に従事した後、ヘリカル型核融合炉の設計研究と大電流高温超伝導導体の開発に従事。
2021年10月、核融合スタートアップ企業「株式会社Helical Fusion」を共同創業。2023年4月退社。