Sm-Fe-N磁石の成形手法や今後の課題など、研究開発の最前線がわかる!
ポストネオジム磁石開発の最新動向
《 Sm-Fe-N磁石などの注目技術を解説 》
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- 日程
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2025/9/29(月)
13:30~15:30
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- 場所
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Zoomによる
オンライン受講
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- 定員
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- 受講料
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29,700円
(税抜価格:27,000円)
セミナー詳細
地球温暖化対策の観点からCO2排出量の削減が急務となっている昨今、風力発電や自動車の電動化が推進されていますが、そのモーター部分でネオジム磁石が利用されており、その需要は今後も伸び続ける事が予測されています。これに伴って、ネオジム磁石の高温耐性付与に使用される重希土類元素 (Dy, Tb) だけでなく、Ndそのものも2030年には需要が2倍以上になり、近い将来に供給不足に陥る事が懸念されています。こうした状況を緩和するために、ネオジム磁石を代替する材料の開発が求められています。
Sm2Fe17N3化合物は高特性を有する事からその候補材料として古くから注目されていますが、その難焼結性から焼結磁石が作れず、今では粉末を樹脂で固めたボンド磁石のみが製品化されているに留まります。もし、Sm2Fe17N3を焼結磁石にする事ができれば、ネオジム磁石の一部を置き換えることができ、希土類磁石全体の原料供給リスクの緩和に役立ちます。
本講座では、永久磁石材料の基礎と、現在主流となっているネオジム磁石の紹介から始め、ポストネオジム磁石の候補材料やそれらを取り巻く状況について解説します。また、Sm-Fe-N化合物の誕生と商用化の歴史、難焼結性を克服するために実施された研究開発についてもご紹介します。
さらに、より高性能が期待されるFeリッチ組成磁石の開発状況についても併せて概説いたします。
期待される効果
- 永久磁石材料の基礎と、現在主流のネオジム磁石の概要を学ぶことができる。
- ポストネオジム磁石候補材料の概況を学ぶことができる。
- ポストネオジム磁石の筆頭であるSm-Fe-N磁石の研究事例を系統的に学べる。
- 難焼結材料のバルク化技術を学べる。
- ネオジム磁石を超えるために進められている最新の取り組みについて学べる。
主な受講対象者
- 磁石材料の技術者、プロセス設計者、技術チームリーダー
- モーター技術者、モーター設計者
- これから新規に磁石材料開発に携わる方
セミナープログラム(予定)
1. 永久磁石材料の基礎と最近の動向
1.1 磁気と磁性
1.2 ソフト磁性とハード磁性 –磁気的な硬さとは?–
1.3 各種ハード磁性材料 (=永久磁石) の紹介
1.4 電動化社会のキーマテリアルとしての永久磁石
1.5 ネオジム磁石の紹介 –その強みと応用例–
1.6 ネオジム磁石の代表的な製造方法 –焼結磁石と熱間加工磁石–
1.7 ネオジム磁石研究開発の最新動向 –保磁力向上から温度特性付与へ–
1.8 ポストネオジム磁石の候補材料の紹介 –なぜ今Sm-Fe-Nか?–
2. Sm2Fe17N3磁石の歴史 (1990 ~ 2015)
2.1 Sm2Fe17N3の誕生とSm-Fe-Nの商用利用
2.2 Sm2Fe17N3の焼結の難しさ・通電加圧焼結の利用とその課題
3. Sm-Fe-N磁石と低酸素粉末冶金プロセス (2015~)
3. 1 Sm2Fe17N3の酸化と加熱処理による保磁力低下
3. 2 低酸素粉末冶金プロセスの効果
3. 3 保磁力を低下させずに焼結できたとしても ー新たな課題ー
4. 冷間塑性加工を使ったSm2Fe17N3磁石の緻密化 ―発想の転換―
4. 1 高圧ねじり加工によるSm2Fe17N3磁石の成形
4. 2 圧延加工によるSm2Fe17N3磁石の成形
5. Sm2Fe17N3の液相焼結への挑戦と最近の成果
5.1 Sm-Fe-N系での液相焼結の難しさ
5.2 克服するための取り組み –低融点焼結助剤の探索–
6. さらなる高性能化を目指すチャレンジングな取り組み
6. 1 FeリッチTbCu7型Sm-Fe-N異方性磁石の開発状況
6. 2 Feリッチ ThMn12型 Sm-Fe系磁石の開発状況
6. 3ナノコンポジット磁石の開発状況 –ソフト磁性とハード磁性のいいとこどり–
7. まとめ
講師プロフィール

- 細川 明秀
国立研究開発法人産業技術総合研究所 主任研究員
- 2010年12月: McMaster University Ph. D.取得 (カナダ・オンタリオ州)
- 2011年1月~2013年2月: 物質・材料研究機構 ポスドク研究員
- 2013年4月~2015年3月: 九州大学 特任助教
- 2015年4月~: 産業技術総合研究所 研究員→主任研究員
学生時代から金属材料の塑性加工、加工熱処理、延性破壊、破壊力学に関する研究を専門とし、材料組織を電子顕微鏡や放射光CT等を駆使して評価する事を得意とする。
産総研入所後は永久磁石材料の開発に従事し、永久磁石の組織設計指針を構築し、開発磁石の高性能化に資する製造プロセスを提案している。
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- 詳細
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- 日時
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2025/9/29(月)
13:30~15:30 - 参加費
- 29,700円
(税抜価格:27,000円) - Webサイト
- https://engineer-education.com/seminar/post-neodymium-magnet/
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- 会場
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Zoomによるオンライン受講
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- 主催者
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日本アイアール
電話番号:
03-6206-4966
メール:
ir@nihon-ir.co.jp
Web サイト:
https://nihon-ir.jp/