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個別のCAD/CAE製品の使い方を学ぶ前に、まず押さえておくべき技法とその後の活用例を解説
設計者としての今後の成長力に直結する「確かな基礎スキル」をインストール!
設計初心者のためのCAD・CAE 超入門
《 3D CAD/3D設計に不可欠な前提知識を1日で習得 》
講座概要
デジタル活用の流れがますます加速しています。その中でも3Dデータを使ったDX(デジタルトランスフォーメーション)は不可欠な状況になっています。もちろん、設計、開発、製造の分野でも、3D活用すなわちデジタルファブリケーション連携による自動化、省人化、効率化というさまざまな利点を得ることができます。
3Dデータの中でもCADデータを使うことでより詳細な設計、連携が可能になります。特にCAE(解析、シミュレーション)に適用することで、これまで試作評価で行ってきた確認作業をデータ内で先行評価を進められるようになり、評価時間の短縮や評価水準回数増による精度UPにも効果を出すことができるようになってきています。
このセミナーでは、それらCADやCAEについての基本スキルを身につけることによって、その活用シーンを大きく拡げる基礎となるように構成しております。またデータを作成するスキルだけでなく、設計スキルの基本という観点でも役立ちます。
製品開発における実際の経験を基にした内容も取り入れており、受講者の皆さまの実務スキル向上に直結する実践的な手法や考え方を伝授いたします。
期待される効果
- CADの知識を有し、自在に設計が出来る。
- CAEの知識を有し、設計の妥当性や根拠を考えられる。
- 設計のスピードアップや開発情報の共有を促すことが出来る。
主な受講対象者
- 技術、開発、設計初心者(機械/機構設計)
- CAD利用者(学生含む)
- CAE導入をご検討の方
- 機構設計~3年目
セミナープログラム(予定)
Ⅰ.CADとは
1 2D CADと3D CADの位置付け そして2D図面の役割
2 3D CADを利用した 設計と検討 の進め方
3 デジタルツインの利点(他部署との情報共有)
4 Industry4.0/Society 5.0Ⅱ.3Dモデリングと図面作成他
1 モデリングと設計の違い
2 パラメトリックモデリングとダイレクトモデリング
3 3DCADにおける図面作成
4 3DCADとデジタルファブリケーション連携Ⅲ.3D設計手法/主な操作
1 スケッチ すべての始まり
2 ソリッド 形状作成の基礎
3 サーフェス 曲面と自由な形状発想
4 シートメタル 板金形状とそれ以外の応用
5 アセンブリ 部品構成
6 検査/検証 断面、干渉、重心、勾配 などなど
7 アニメーション
8 CAE(シミュレーション)
9 製造連携(CAM)
10 図面作成
11 その他便利機能/連携Ⅳ.CAEの必要性と現状
1 求められる開発の精度,スピード
2 5ゲン主義
3 CAEの重要性
4 本セミナーのCAE概要Ⅴ.CAE手法/主な操作
1 単純化/メッシュ作成
2 材料設定
3 拘束条件
4 目的毎の荷重設定
5 接触条件
6 表示
7 結果と計測
8 主なエラーとその対処方法Ⅵ.CAE具体的手法
1 その形状は耐えうるか?CAE結果を用いた変形/破壊に対する判断方法
<静的応力(線形/非線形)>
(1)曲げCAEの設定および結果の読み方(見るべき個所は?)
(2)材料変更時の結果比較のポイント
(3)形状差分で対策する際の注目点2 振動時の弱点はどこに?振動時の破壊個所の予想、対策効果の検証
<モード周波数解析>
(1)CAE後の挙動の見方,系の読み方
(2)対策前後の差分比較(挙動の変化,破壊の有無検証)3 熱はどのように伝わっていくか?熱源からの伝わり方・伝え方
<熱解析(伝導、伝達、放射)>
(1)TIM差分による放熱解析の注意点
(2)熱放射での熱の伝わり方,押さえ方の検証4 強制空冷の効果を知りたい!ヒートシンクや風量など、発熱対策を検証する
<電子デザインの冷却解析>
(1)空間内の空気の流れ・よどみ・逆流を確認
(2)空気移動による冷却を行う際の着目点5 その部品形状・材料は急な変形が起きても大丈夫か?部品形状の急変影響は準静的解析で経過を読み解く
<準静的イベントシミュレーション>
(1)形状急変に至るまでを時間経過(応力・変形度合い)で確認
(2)時間経過を踏まえた材料選定・形状検討6 その構造は衝撃を与えても耐えられるのか?複数部品での衝撃影響を動的解析で読み解く
<動的イベントシミュレーション>
(1)例)関節構造部の強度と変形の検証
(2)例)ハンマー衝撃時の材料状態を検証・判断7 最適な形状を模索する もっと軽く!強度は変えずに!使用に適した部品形状を最適化解析で探しだそう
<シェイプ最適化>
・基本形状の性能を維持して軽量化を図る8 射出成型部品の弱点を解析で探りだそう!材料流れから見る射出成型部品のウイークポイント
<射出成型シミュレーション>
(1)ゲートやラン ナー位置による強度差分を確認
(2)ウイークポイント回避のための検討方法9 防水構造・部品は最適か?止水パッキンを用いた防水構造の事前検証
<応用編:静的応力(線形/非線形)>
(1)IP規格(推進)における安全率の検証
(2)パッキンの止水性能の判断方法(応力,ひずみ など)10 落下衝撃に耐える「構造」とは?大衝撃時の製品・部品の弱点の見方
<応用編:動的イベントシミュレーション>
(1)構造物落下時の変形・破壊を検証(複数の部品変形を追う)
(2)同じ構造モデルを使った多方面の落下時状態検証
(3)衝突面の材質と摩擦力11 見えない「空気」を制御する!空気の流れを構造で最適化する
<応用編:電子デザインの冷却>
(1)空気の分布、風量から空気流れ状態を検証
(2)空気を制御するための構造変更ポイント
(3)目標(風速・風量)に沿うためのCAE結果注目点Ⅶ.設計CAEの使いどころとフロントローディング
1 「デジタルツイン」による開発とフロントローディング
2 開発時間短縮
3 製品品質判断
4 比較(コスト、調達性 など)
5 障害検証
6 その他 事例Ⅷ.まとめ
1 主なCAD/CAEの特徴比較
2 CAD/CAEのデジタルツイン位置付け
3 本セミナーのまとめ 【質疑応答】都度
講師プロフィール
鈴木 崇司(すずき たかし)
神上コーポレーション株式会社 代表取締役CEO
構造アナリスト
- 共同技研化学株式会社 技術開発次長、品質管理次長、ラジカルプロダクト部(技術営業)次長
- 富士通株式会社 モバイルフォン事業部 機種開発チーム、CAE共通チーム、組立(VPS)共通チーム
などを経て現職。
機械設計、特に小型高密度実装が必要とされる製品について高度な知見を有しており、機構設計に必要なアクリルポリマーフィルムなど材料開発業務の経験も豊富。
設計の上流工程のみならず、製造フェーズまで含めたトータルなものづくりの知識を有している。
「匠のコンサルタント」として技術指導実績多数。