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セミナー情報

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受付中

電子機器の熱対策クリニック

≪回路と機構両側面からの放熱アプローチ≫

  • 日程
    2026/1/19(月)
    13:00~17:00
  • 場所
    日本アイアール 本社
    セミナールーム
    (秋葉原駅徒歩3分他)
    または
    Zoomによる
    オンライン受講
  • 定員
    会場受講は16名
    オンライン受講は定員なし
  • 受講料
    49,500円
    (税抜価格:45,000円)

セミナー詳細

ICT/IoT機器の普及に加え、あらゆる電子機器で半導体の高性能化が進む現代において、「熱対策」は設計者にとって避けて通れない最重要課題です。ソフトウェア制御による熱対策は性能低下を招く可能性があるため、できる限りハードウェアでの対策が求められています。製品の信頼性や寿命、さらには顧客満足度を大きく左右するこの「熱問題」に対し、私たちは設計の根本からアプローチする解決策を提案します。

 

本セミナーでは、単なる応急処置ではない、本質的な熱対策を習得していただくことを目指します。具体的には、基板/回路設計の視点機構/構造設計の視点という二つの側面から、熱の取り扱い方を実践的に解説。放熱を促進する最新の設計手法から、熱対策に最適な材料の選定とその活用法、さらには放熱と対をなす断熱の重要性とその組み込み方まで、多角的なアプローチでご説明します。

 

熱問題の解決は、製品の信頼性向上に直結し、結果として顧客満足度向上に貢献します。本セミナーで、あなたの設計スキルを次のレベルへと引き上げ、市場で競争優位性を確立しましょう。

 

《期待される効果》

  • 実践的な熱設計の基礎、熱対策方法の習得

《主な受講対象者》

  • ハード開発若手設計者
  • 熱対策を構築したいプロジェクトマネージャー

セミナープログラム(予定)

1.熱の三原則と電子機器の熱設計トレンド
1-1 熱の三原則(伝導・対流・放射)
1-2 最近の熱設計トレンド(小型電子機器)
1-3 ペルチェ素子と原理

 

2.回路/基板による熱設計と対策
2-1 電子回路の発熱とその仕組み
2-2 信頼性を設計する~発熱による影響とディレーティング~
2-3 発熱の削減技術
2-3-1 低抵抗化(デバイス選定、駆動方法、回路上の工夫など)
2-3-2 低電圧化(FPGAやCPUなどで使われる低消費電力化技術とIOでの注意点)
2-3-2 低速化(クロック制御(ソフトウェア制御)による熱マネージメント)
2-4 半導体の放熱設計~放熱と熱抵抗~
2-4-1 半導体素子の熱設計
①熱抵抗と放熱経路の基本
2-4-2 実際の機器での放熱
① 放熱器(ディスクリート素子)/②放熱パッド/③ヒートスプレッダ

 

3.回路 不具合事例
3-1 電源回路素子発熱に伴う周辺部品温度上昇
•自己発熱
•輻射熱
3-2 電源ON/OFF回路におけるON抵抗の変化と発熱
•電圧変動
•電流
3-3 放熱パッド付面実装電源ICにおける放熱と温度上昇
•熱伝導経路
3-4 冷却による不具合事例(高精度アナログ回路)
•冷却で性能が低下

 

4.発熱(温度)の確認
実機での計測と気を付けるべきポイント

 

5.構造熱設計の勘どころ
5-1-1 TIM(Thermal Interface Materials)の種類と特徴・使い分けのコツ
① 放熱(熱伝導)シート
② サーマル(熱伝導)グリス/接着剤/パテ
③ 放熱(熱伝導)両面テープ
④ 相変化材料(PCM)
5-1-2 TIM:ギャップフィラーマテリアルの位置づけ
5-2 放熱材料:具体的材料
5-2 放熱部品、断熱、耐熱、遮熱
5-4 気をつけよう低温火傷
5-5 放熱検討部位とそのポイント(適切な使い分け)

 

6.熱構造設計に起因する不具合事例
6-1 熱対策は設計初期からか、不具合がわかってからか
6-2 グラファイトシートの使い方間違い

 

7. 熱シミュレーション(CAE)
7-1 熱抵抗(計算)
7-2 シミュレーションのコツと解析結果の考察方法
7-2-1 簡易熱CAE(熱分布)
7-2-2 パワーモジュール熱CAE

 

8. まとめ・質疑応答

 

講師プロフィール

鈴木 崇司 /多胡 隆司

鈴木 崇司( 神上コーポレーション株式会社 代表取締役CEO 構造アナリスト)
・共同技研化学株式会社 技術開発次長、品質管理次長、ラジカルプロダクト部(技術営業)次長
・富士通株式会社 モバイルフォン事業部 機種開発チーム、CAE共通チーム、組立(VPS)共通チーム
などを経て現職。
 
機械設計、特に小型高密度実装が必要とされる製品について高度な知見を有しており、機構設計に必要なアクリルポリマーフィルムなど材料開発業務の経験も豊富。
設計の上流工程のみならず、製造フェーズまで含めたトータルなものづくりの知識を有している。
「匠のコンサルタント」として技術指導実績多数。

 

多胡 隆司(神上コーポレーション株式会社 回路技術顧問)
・ソニー株式会社 ディスプレイ事業部、ライフサイエンス事業部
・株式会社Liberaware 開発部 マネージャー
などを経て現職。

ソニー在籍時にライフサイエンス事業部(FCM開発チーム)や、ディスプレイ事業部(超高精細システム開発チーム)などに在籍し、おもに同社製品の電気設計で実績を上げる。
設備点検用ドローンを手がけるスタートアップ Liberaware社では技術開発部マネージャーとして活動。

★【会場受講】、【オンライン受講】のどちらかご希望される受講形態をメッセージ欄に明記してください。