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連載-6- なるほどこれでなっとく!「著作権」デジタルコンテンツ

スペイン知的財産事情

この原稿は、スペインと日本間の知的財産権を専門に扱う法律サービス会社であるリーガルスタジオ社の真覚久美子氏とカルロス・アバディン氏(弁護士)の著作です。

連載-6- なるほどこれでなっとく!「著作権」デジタルコンテンツ

No.253 Febrero 2008

デジタルコンテンツとは、映像・音楽・画像・文章などをデジタル形式で記録したコンテンツで、マンガ・アニメ・映画・放送・音楽・ゲーム・オンラインゲーム・アミューズメント・インターネット関連・携帯電話・新聞・図書出版など幅広い分野にわたるものです。

1982年にCDが発売されてからカセットテープやレコードはすぐに市場から無くなり、あっという間に私たちの日常にデジタルのものがあふれ、今やアナログという言葉さえあまり聞かなくなってしまいました。そんなデジタルのすごいところは、複製しても劣化しないことや、コンピューターならではのインタラクティブと呼ばれる、双方向性が挙げられます。

情報や意見、議論の記録をウェブ上に残すブログはその代表的なもので、日本の広告代理店に勤める友人の話によると、その情報発信力や波及力にはすごいパワーがあり、今日企業が新商品を発表する際、記者会見の代わりにカリスマ性を持つブログを開いている方たちをお招きし、商品紹介をしたほうが宣伝効果があるということでした。スペインでも青少年のブログへのアクセスが頻繁に行われていることに注目し、政府は青少年が無記名で健康とドラッグについて気楽に相談できるブログを起しました。これはデジタルコンテンツならではの試みと言えるでしょう。

今回はそんなブログやホームページにおけるデジタルコンテンツのアドバイスをします。

自分で作ったコンテンツを使うこと。その権利は当然のことながらあなたにあるからです。
他人のホームページやブログのコンテンツを無断で使用しないこと。フリーコンテンツや公のドメインなど一部のケースを除いては、事前に許可を得なくてはいけないコンテンツがほとんどです。コピーする前に確認しましょう。はじめに説明したようにコンテンツは幅広い分野にわたっています。議論の対象を説明するために、ある特定の画像や映像をコピーして使う場合も気をつけなくてはいけません。
オンラインでダウンロードできるビデオや音楽でコピーライト表示が無いものにも気を付けてください。何故ならそのコンテンツが海賊版であるかもしれず、それをコピーすることは著作権法に反するからです。
デジタル化した文章も要注意です。例えば図書館のコンテンツのように一般公開されていても、使用するには著作権が存在します。
「表現の自由」という権利を「人のプライバシーや尊厳、または法律」に反するようなことに使わないで下さい。スペインでは実際に判例があり、これも犯罪になります。また自分のコンテンツだけでなく、自分のブログに書き込まれた内容についてもその責任はあなたにありますので、コントロールが必要です。
続いてあなたのデジタルコンテンツはどのように守れるかについて説明します。あなたのコンテンツが不正にコピーされた場合、それがあなたのものであると証明するのは実際大変なことです。スペインには知的財産権の登記所があり、ここにコンテンツを登録すればもし裁判などで争う場合には重要な証拠になります。しかし中には自分で作ったコンテンツではないのに登録し、権利を悪用しようとする人もあります。またコンテンツの種類に該当する著作権協会に登録するという方法や、テクノロジーの力を借りてあなたの権利を守る方法もありますが、常に抜け道を探す人がいてなかなか良い結果を生み出していません。

www.myfreddcopyright.com

というホームページに登録するという方法もありますが、実際にどの程度法的に有効なのかは、スペインに関する限り判例が無いので分かりません。最低誰でもできることは「画像、文章などの無断転写は禁止。荒らし・中傷目的の方などはご遠慮ください。」などあなたの意思を明確に表示することでしょう。

正しい使い方でデジタルコンテンツを楽しんでください。