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コンプレッサー、送風機、ポンプ、エンジン、モーター……
“あらゆる回転機械“のトラブルを未然に防止するコツを1日で伝授!
回転機械における振動の基礎と振動低減技術
《PCではじめるバランス計算》
講座概要
回転機械を使ったさまざまな生産設備の運転状態の判断基準の一つが、振動です。振動が大きくなると、故障の原因にもなりますし、あるとき急に破損し、計画外の生産停止に追い込まれることも起きます。時には、このような破損トラブルが恐ろしい事故を起こすことも考えられます。
しかし、振動の良否の判定基準や、振動が大きくなった時の振動低減方法は専門的過ぎて聞いたことがない、という方々も多いのではないでしょうか。
このセミナーは、設備管理者、回転機械メーカーのメンテナンス担当者や設計者にとって必要な、振動管理手法とその管理値、そして振動低減技術の習得とノウハウを習得していただくためのものです。振動の許容値と異常限界に関する理論を学び、回転機械のバランス作業によって振動を下げる実務的方法を習得します。
バランス作業とは、管理基準を超えた回転機械の振動を下げるため回転体に重りを取り付け、回転体の不釣り合いを是正することで振動を低減するものです。アンバランスな回転体のどこに、どれだけの重りをつければよいかを算出する手段を学びます。
最終的にはPCを使ってこれらを算出する演習も行いますので、ほとんどの回転機械に応用できる振動低減技術を1日で習得することができます。
主な受講対象者
大学理工学部レベルの機械振動学の知識と高校数学の複素数計算の知識がある方で、以下のいずれかにあてはまる方。
- 回転機械の設計者、メンテナンス技術者
- 生産設備に携わる技術者、技術チームリーダー、技術スタッフ
- 回転機械の運転管理者
- 回転機械の防振技術に興味のある方
受講の際の持ち物
演習では以下のものが必要です。必ず持参してください。
現地で受講することが難しい方は、以下の道具で作図を行うので、作図のできるスペースをご用意のうえ、講師とコミュニケーションのとれるカメラ・マイクつきPCも用意してください。- コンパス(半径15cm程度)1本とディバイダー1本
- 三角定規(20cm以上2枚1組、平行線を描けるように)
- 寸法定規(30cmものさし)
- 分度器
- 電卓(スマホ可、四則演算が計算可能なもの)
- エクセル等表計算ソフトの入ったパソコン(複素数の計算を講義します。各自でPCをご用いいただけますと講義中にエクセルによる複素数の計算が体験できます。)
- 来場前に複素数とベクトル計算の取り扱いも復習してご受講ください。
セミナープログラム(予定)
【1】回転機械振動の基本
1.自由振動と固有振動数
2.強制振動
3.周波数応答
3-1 運動方程式からの理論展開
3-2 周波数応答図の作図(実数)
演習:PCを使った実数による作図
3-3 ExcelⓇによる複素数計算
・複素数の入力方法
・複素数演算関数
演習:ExcelⓇでの複素数関数の使い方
3-4 複素数による周波数応答図の作成
演習:PCを使った複素数による作図
4.回転数変化する回転機械の現象
5.位相の計測
6.位相変化の実例
【2】振動管理値
1.振動値と呼称の調査報告例
2.振動の許容限界
3.安全に運転するための振動管理基準
【3】振動を低減するための回転機械のバランス
1.バランスとアンバランス
2.バランスの有効限界
【4】図解法を用いたバランスの算出手法と実践
1.多点法
2.三点法
演習:図解法
3.影響ベクトル法
演習:図解法
【5】ExcelⓇを使った影響ベクトル法の数値計算法
演習:PCを使った数値計算
【6】計測機器
【7】影響ベクトル法を使った三点法の評価と振動低減効果
1.三点法の作図原理と評価手順
2.三点法3円の数式表示と交点
3.ExcelⓇによる三点法図解と評価
演習:PCを使った三点法図解と評価
4.影響ベクトル法を使った三点法の評価
【8】結言
講師プロフィール
近藤 孝邦(こんどう たかくに)
近藤エンジニアリングハウス 代表
(公財)日本技術士会 機械部会幹事
技術士(機械部門)
株式会社IHIにて高速回転機械の技術開発と生産に長年携わった、回転機械と流体工学のエキスパート。
機械設備投資、経営管理についても豊富な経験を有する。
技術士(機械部門)/流体工学