初心者が知っておくべきGCP省令の重要ポイントをわかりやすく解説
基礎から学ぶ 医薬品GCP超入門講座
講座概要
これから治験に関わる初任者の方、GCPの解説書を読んでも理解が難しかった方向けに医薬品GCP省令を基礎から学ぶ講座です。医薬品の企業主導治験に関するGCPを中心として、医師主導治験のGCPについて、さらに医療機器GCPと再生医療等製品GCPについても触れます。
GCP総論では、日本での治験、ICH-GCPを日本の規制に取り入れて以降のGCP省令の改正の歴史、医薬品医療機器等法(薬機法)と医薬品GCP省令の関係等について解説します。
GCP省令の概説では、毎年のように改正されるGCP省令の最新版について、省令とガイダンスの各条文の基本かつ重要な条文について解説しますので、治験依頼者や医療機関の各自の業務の基本となる知識を高め、実務に活かせる構成となっています。
講師の30年以上にわたるGCP監査の経験を基にした豊富な実例と、さらに20年以上のGCP教育に携わってきた経験から導き出された、初心者にもわかりやすい講座です。
期待される効果
- ニュルンベルク綱領から日本の現行GCPに至る歴史を学ぶことによって、GCPの意義が理解できる。
- ICH-GCP、答申GCP、GCP省令、GCPガイダンスの相互の関連と違いが明確に理解できる。
- GCP省令第1条から第59条までの各条文の重要なポイントを学ぶことによって、各自の業務において重要な条文・項目は何かが理解できる。
主な受講対象者
- 製薬企業、医療機器メーカー、バイオベンチャー等の治験依頼者
- 医師、治験コーディネーター(CRC)治験協力者(モニター、データマネージャー)、治験事務局、治験審査委員(IRB)会事務局
- これから新たに治験・GCPに関わる上記の方
- 教育担当になって基本から知識を復習したい方
セミナープログラム(予定)
第1部 GCP概論
1) 医薬品の開発におけるGCPの位置付け
2) GCPの歴史
日本における治験の歴史と旧GCPと新GCP
医療の倫理と臨床試験の倫理
ニュルンベルク綱領とヘルシンキ宣言
ICH-GCPと答申GCPとGCP省令3) 薬機法とGCP
薬機法とGCP省令とGCPガイダンス
薬機法とGCP基準
第2部 GCP省令条文概説
1) 第一章 総則(第1条~第3条)
審査資料の基準と行為の基準
GCP基準とは
ICH-GCPとJ-GCPの「治験の原則」
被験薬と治験薬と治験使用薬2) 第二章 治験の準備(依頼)に関する基準(第4条~第15条)
治験依頼者に必要なSOP
医薬品GCPの医学専門家と医療機器GCPの医学等専門家
意思決定手続きと社内IRB
医師主導治験には適用されないGCP省令の条文
医薬品GCPと医療機器GCPと再生医療GCPにおけるICHとISOの参照
製造販売後臨床試験の治験薬概要書
治験計画届の30日調査と治験の依頼
CROに委託できない業務
補償と賠償の違い
ICCCとCROの大きな違い3) 第三章 治験の管理に関する基準(第16条~第26条)
白箱に記載すべき事項と記載してはいけない事項
治験薬GMPとGMP省令
治験調整医師と治験調整委員会
効果安全性評価委員会の設置が有効な治験
副作用情報等と副作用等情報
旧GCPのモニタリング
モニタリング報告書の点検とフォローアップ
個々の治験の監査とシステム監査
治験の中断、治験の中止、開発の中止
総括報告書とICH-E3又はISO14155
記録と文書、保管と保存4) 第四章 治験を行う基準(第27条~第55条)
第一節 治験審査委員会
治験審査委員会の種類と設置基準
治験審査委員会の3号委員、4号委員、5号委員
実施医療機関と治験審査委員会の契約の要否
治験審査委員会の審査
継続審査と迅速審査の関係
第二節 実施医療機関
「実施医療機関の要件」はICH-GCPには無い日本独自の条文
実施医療機関の長の責務
治験薬管理者、治験薬管理手順書、治験薬管理表
SMOと医療行為
第三節 治験責任医師
治験責任医師、治験分担医師、治験協力者
社会的弱者の治験参加
第四節 被験者の同意
本人の同意と代諾者の同意、アセント文書
公正な立会人、同意文書の代筆者
再同意
救命的治験における説明と同意5) 第五章、第六章(第56条~第59条)
製造販売後臨床試験の読み替えと留意事項
薬機法第80条の2の厚生労働省令で定める基準まとめと確認・復習(重要ポイントの確認・演習問題等)
質疑応答
講師プロフィール
大場 誠一(おおば せいいち)
株式会社エスアールディ 参与
旧GCP施行当時から国内の製薬企業で試験監査室長としてGCPとGLPの監査を担当。その後の欧州系製薬企業では信頼性保証室長としてGCPとGLPの監査の他、GMPとGPMSPの監査に携わる。そして後の米系CROではQA DirectorとしてGCP監査の責任者。現在は国内CROでGCPと臨床研究の監査、さらにGCP教育やSOPライティングの受託業務を専門としている。またGCPに関連した執筆や多くのセミナーでの講演活動、さらにDVDやe-ラーニングを用いたGCP教育に携わるなど、30年以上にわたってGCPに深く関わり続けている。
資格:獣医師