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セミナー情報

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受付中

ばね設計の基礎と実践《機械設計者のための実務講座》

設計トラブルを防ぐ!
疲労・応力計算から学ぶ ばね設計の基本と応用

  • 日程
    2026/3/17(火)
    10:00~17:00
  • 場所
    Zoomによる
    オンライン受講
  • 定員
    -
  • 受講料
    49,500円
    (税抜価格:45,000円)

セミナー詳細

近年、製品の小型化や高性能化が進む中で、ばねは多くの装置・機器に不可欠な機械要素となっています。特に圧縮ばね引張ばねねじりばねは、荷重制御や位置決め、振動吸収などの重要な機能を担う一方、設計のわずかなミスが破損疲労寿命不足といった重大トラブルにつながりやすい要素でもあります。そのため、ばね設計の基礎から応力計算、材料選定、疲労設計までを正しく理解することが、機械設計者にとってこれまで以上に求められています。
しかし現場では、ばね定数の算出方法や応力計算、材料の特性差、寿命評価の考え方について体系的に学ぶ機会が少ないのが実情です。特に、ばねの種類ごとに応力の発生メカニズムが異なるため、正しい設計手順を知らないまま進めると、想定外の破損や性能不良を招くケースも多く見られます。

本講座では、ばね設計の基本原理から応力評価、疲労設計、材料選定のポイントまでを、技術背景と実務の両面からわかりやすく解説します。圧縮・引張・ねじりばねの違いを押さえながら、設計時に見落としやすいポイントや、よくあるトラブルとその対策についても実例を交えて紹介します。また、設計計算の流れが理解しやすいよう、Excelを用いた設計書作成例を紹介し、実務で活用できる知識として落とし込める構成としています。

ばね設計に自信をつけたい若手技術者はもちろん、基礎を整理して設計品質を高めたい方にもおすすめの内容です。設計の根拠を説明できる技術者を目指す方に最適な講座となっています。

主な受講対象者

  • 機械設計・製図に携わる技術者
  • 機械設計の実務に携わる方で、ばねの設計知識を深めたい方
  • ばねの選定や設計計算に自信を持ちたい方
  • 設計段階でばねに関するトラブルを未然に防ぎたいと考えている方

 

期待される効果

  • 圧縮ばね、引張りばね、ねじりばねの設計に必要な一連の計算プロセスを理解し、実践できるようになる。
  • ばねの強度計算の基礎を習得できる。
  • 適切なばねの材料選定や、最適な仕様のばねを設計することができる。
  • ばね設計における課題解決能力と、目的に合致した最適な設計解を導き出す思考力が向上する。

 

セミナープログラム(予定)

1. ばねの基礎知識と種類

  • ばねの役割と機械設計における重要性
  • 主なばねの種類(圧縮、引張り、ねじり)とその特徴・用途
  • 材料の種類と基本特性
  • 材料選定時の注意点(耐食性、温度特性、成形方法)
  • よくある失敗と対策(材料強度の過信、腐食環境の無視)
  • ばね破損の種類:静的破壊と繰返し疲労破壊
  • 疲労設計に必要な応力・強度の基本知識

2. 圧縮ばねの設計

  • 圧縮ばねの基本構造と用語(自由長、ばね定数、ピッチなど)
  • 荷重−たわみの関係と基本設計式
  • ばね指数(C値)と応力集中の関係
  • よくある設計ミス:巻数不足・C値が小さすぎる設計
  • 応力の算出:最大せん断応力・最小せん断応力の求め方
  • 疲労設計の手順(疲れ強さ線図を使った判定)
  • 疲労対策:C値の最適化、ショットピーニング、セッチング、低温焼きなまし
  • 実務でのコツ:たわみ量に余裕を持たせる設計、支持構造の工夫

3. 引張りばねの設計

  • 引張りばねの構造(コイル部・フック部)と用語(初張力など)
  • 荷重−変位の関係と設計式
  • 初張力の設定ミスによる作動不良の例
  • 応力の算出:フック部における応力集中の考慮
  • 疲労設計の手順(疲れ強さ線図に基づく判定)
  • よくある設計ミス:フックの曲率半径が小さすぎて破断
  • 疲労対策:フック形状の緩和設計、補強巻きの追加
  • 実務でのコツ:初張力の適切設定と荷重調整スペースの確保

4. ねじりばねの設計

  • ねじりばねの構造(アーム、巻方向、支持方法)
  • ねじり角−トルクの関係と設計式
  • 巻方向と取り付け方向の一致が設計寿命に与える影響
  • 応力の算出:ねじりモーメントに基づく曲げ応力
  • 疲労設計の手順(疲れ強さ線図を使った評価)
  • よくある設計ミス:巻き戻し方向への負荷による早期破損
  • 疲労対策:アームの根本R処理、剛性の高い支持設計、低温焼きなまし
  • 実務でのコツ:設置スペースに応じたアーム長の最適化

5. 設計計算結果の評価と設計書作成(演習)

  • 圧縮・引張・ねじりばねそれぞれの設計課題に取り組む
  • 仕様条件に基づいて形状・材料を選定し、応力を算出
  • 疲れ強さの評価
  • 実務で役立つコツ:Excelを利用した再利用しやすい設計フォーマット

 

講師プロフィール

鈴木 敬一
鈴木 敬一

鈴木技術士事務所 代表
技術経営修士(専門職)
技術士(機械部門・総合技術監理部門)
東京工科大学 非常勤講師
 
(公社)日本技術士会 正会員
(一社)日本機械学会 正会員
(一社)研究・イノベーション学会 正会員

 

  • 2007 〜 2023年: 国内メーカーにて紙幣識別装置の開発
  • 2023 〜: 鈴木技術士事務所

 
紙幣識別装置の開発プロジェクトリーダーとして、新製品の企画立案から設計、試作、評価、量産化までの一連のプロセスを主導。開発過程における不具合の解決には、設計工学の手法を活用して原因の特定と対策の立案を行う。また、コスト削減にも注力し、部品の共通化や調達先の見直しなどを推進。
現在はエンジニア教育および研修開発にも携わり、次世代の技術者育成に注力している。専門技術の講座など、グループワーク・演習を交えた実践的な研修は高い評価を得ている。

 

《資格》

技術士(機械部門・総合技術監理部門)、二級知的財産管理技能士、監理技術者(機械器具設置工事)、エックス線作業主任者

  • 詳細
    日時
    2026/3/17(火)
    10:00~17:00
    参加費
    49,500円
    (税抜価格:45,000円)
  • 会場

    日本アイアール 本社セミナールーム
    神田岩本町15-1 CYK神田岩本町3階
    千代田区, 東京都 101-0033 Japan
    電話番号:
    03-6206-4966
    Web サイト:
    https://nihon-ir.jp/

  • 主催者

    日本アイアール
    電話番号:
    03-6206-4966
    メール:
    ir@nihon-ir.co.jp
    Web サイト:
    https://nihon-ir.jp/

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