《 技術セミナー + 技術者交流会 》
乾燥プロセスを日常生活体験を例にイメージ重視で解説する
「目からウロコ」のセミナーです
Roll To Roll 実務者の乾燥プロセス道場 in秋葉原
[塗工フィルムの乾燥速度・膜面温度のザックリ見積り入門編]
講座概要
Roll To Roll 塗工技術のエキスパートである浜本伸夫講師(AndanTEC 代表)が主宰し、小田原と大阪で開催している「RTRセミナー」は、対面セミナーと参加者交流を併せたプログラムであり、全国からロールtoロールの研究者・技術者が集います。2024年秋には日本アイアール本社(東京:秋葉原)でも塗工の入門編セミナーを開催し、好評を得ました。
今回は、RTRセミナー受講者の方から数多く寄せられたご要望にお応えし「乾燥プロセス」に特化した内容の第二弾を企画しました。概ねの現象をイメージできるよう動画や演習の実演で説明するので、化学工学や数学の素養が無くても心配いりません。
セミナー後の小一時間は技術者交流会(お茶会)として、銘菓を摘まみながら、講師への質問や他の受講者と技術的関心事などについて話し合える時間を設けます。
金曜午後の秋葉原、カジュアルな服装で参加しても問題ありません。Roll To Roll に関わる技術者達と、本当に役立つ実務知識を楽しく学びませんか?
《期待される効果》
- 乾燥プロセスのイメージを得ることができる
- 乾燥速度や膜面温度の見積り方が身に付く
- 講師だけでなく他社技術者とも交流できる
《主な受講対象者》
- 塗工開発品に携わる素材研究者
- 塗工・乾燥の初学者
- バッテリー塗工、ペロブスカイト太陽電池、光学フィルム、粘着剤、バリアフィルムに携わる研究者
《セミナープログラム(予定)》
1. はじめに
1-1. はじめに
1-2. 「減率乾燥」と「限界含水率」
1-3. 塗工と乾燥(開発とパイロットと量産)
1-4. フィルムが利用されている製品は?
1-5. 製品に占めるフィルム要素
1-6. フィルムの構成要素 ~厚みと層数~
1-7. 塗る ~ 溶かした液を塗る (Dry厚 ÷ 濃度=Wet膜厚)
1-8. 開発のステップ
1-9. 実験室とRoll To Rollの違い
1-10. 乾かし方も色々
1-11. 日常生活で関わる乾燥
1-12. 家庭の乾燥機器
1-13. 乾燥の支配因子2. 【基礎編】 乾燥設備と溶媒の寄与
2-1. 乾燥風の供給方法 (並列と直列)
2-2. 乾燥風の供給方法 (並行流)
2-3. 乾燥風の吹き出し方式(二次元ノズル)
2-4. 乾燥風の吹き出し方式(多孔板)
2-5. 乾燥風の吹き出し方式(浮上系)
2-6. 溶媒の寄与 (水と他の溶媒の違い)
2-7. 乾燥に関わる物性値
2-8. 水系の乾燥速度
2-9. 塗膜の表面温度は湿球温度(空気線図)
2-10. 比エンタルピー(=潜熱+顕熱)
2-11. 水と他の溶媒との違い (1) 蒸発潜熱
2-12. 他の溶媒との違い (2) 飽和蒸気圧
2-13. 他の溶媒との違い (3) 飽和蒸気圧と温度
2-14. 各溶媒の空気線図
2-15. 等湿球温度線 (1)水はLewis近似式
2-16. 等湿球温度線 (2) Colburn-Chiltonの相関
2-17. 物質と熱の拡散(ルイス数)
2-18. 飽和蒸気圧の温度依存性 (アントワンの式)
2-19. アントワンの式による推算例 (NMP, DMF, DMA, DMSO)
2-20. 有機溶剤系のガス濃度:爆発下限界(Lower Explosive Limit)基準
2-21. LEL基準ガス濃度による膜面温度の見積もり(NMP, DMF, DMA, DMSO、メタノール)3. 定率期間と減率期間
3-1. 限界含水率と固形分濃度
3-2. 乾燥中の膜内の溶媒移動
3-3. 減率乾燥の実測 (水~PVA)4. 【演習】 乾燥計算の練習 (第1ラウンド)
4-1. 風量の影響
4-2. 湿度の影響
4-3. 風温の影響
4-4. 溶媒の影響5. 減率乾燥速度
5-1. 簡易計算法 (乾燥係数 N=1/2~2/3)
5-2. 乾燥係数をN=1にすると?(収束しない)
5-3. 減率乾燥を実測で見積もるために
5-4. 減率乾燥を実測で見積もる手順
5-5. 水系の限界点・仮想点・乾燥点 (PVA水溶液)
5-6. 単溶剤系の乾燥速度 (親水/疎水性と湿度)
5-7. 2成分系の減率乾燥(MEK+トルエン)
5-8. 2成分系の室温乾燥(MEK+シクロヘキサノン)
5-9. 2成分系の溶媒比率 (MEK+EB)
5-10. 2成分系の乾燥挙動
5-11. 2成分系の乾燥見積もり
5-12. 粒子~高分子の混合系 (SiO2+PVA)
5-13. 共沸混合物の乾燥6. 乾燥設備
6-1. 一般的な構成 (予熱・加熱・絶乾・冷却)
6-2. 乾燥方式と伝熱係数
6-3. 各方式の能力比較
6-4. 乾燥効率の支配因子(噴流)
6-5. 噴流の距離と減衰
6-6. 多孔板と二次元ノズル(軸対象とスリット)
6-7. 多孔板と二次元ノズルの乾燥計算
6-8. 多孔板の孔形状
6-9. 幅要因(どこで排気するか?)
6-10. 風の分配と風向(傾斜ノズル)
6-11. フローティング (浮上系)
6-12. 風の取り回し(直列と並列)
6-13. 風の取り回し(品質と省エネと投資)7. 【演習】 乾燥方式と必要な炉長 (第2ラウンド)
7-1. 並行流
7-2. 二次元ノズル
7-3. 多孔板
7-4. 複合ゾーン8. 乾燥起因の面状トラブルと対策
8-1. ベナールセル(ゆず肌)
8-2. ベナールセル(マランゴニ効果に影響する物性)
8-3. ベナールセル (マランゴニ数による診断)
8-4. ハジキ (メカニズム)
8-5. クリーン化による異物対策
8-6. クリーン度を維持する換気と風速
8-7. 塗工室の換気が誘発する風ムラ
8-8. レベリングの理論(Orchard 式)
8-9. 塗工室の換気による風ムラのレベリング
8-10. 塗工室のクリーン化に必要な換気頻度
8-11. 工程クリーン度の診断
8-12. 工程クリーン度の診断例
8-13. 塗工室と前後ゾーンの圧力バランス
8-14. 塗工室の気流の数値解析
8-15. 塗工室内の要因と気流のシミュレーション
8-16. 塗工室前後の差圧の影響
8-17. 気流の履歴
8-18. 数値計算結果まとめ
8-19. 乾燥初期の風ムラ(風速の影響)
8-20. 乾燥初期の風ムラ(風温の影響)
8-21. 風ムラ対策 (遮風)
8-22. 下向き塗工面による風ムラ対策 (密度流)
8-23. レベリング(基板の凹凸ムラ)
8-24. 乾燥中の発泡トラブル対策
8-25. 白化現象の原因と対策
8-26. マイグレーションによる白化(封止層)
8-27. マイグレーションによる白化(鹸化工程)
8-28. 不相溶による白化(表面保護フィルム)
8-29. 延伸による白化(ボイド)
8-30. 乾燥過程の粘弾性変化
8-31. 分散系の乾燥(偏析・沈降・凝集)
8-32. 分散粒子の偏析(蒸発 vs 沈降)
8-33. 粒子~バインダー混合膜の偏析
8-34. 多成分分散物の乾燥時の偏析9. 調湿(膜中の残留溶媒の調整)
9-1. 残留溶媒の調整 (絶乾と調湿)
9-2. 調湿時の含水率履歴
9-3. 調湿曲線の表現方法
9-4. 平衡含水率と湿度
9-5. 調湿の支配因子(風速に依存せず)
9-6. 調湿の支配因子(湿度と温度)
9-7. 表面抵抗による簡易評価
9-8. 乾燥炉内の調湿10.交流会(お茶会)[16:00~17:00を予定]
- セミナー講師を囲んでフリートーク
- 参加者同士の交流
- Roll To Roll全般のQ&A
講師プロフィール
浜本 伸夫(はまもと のぶお)
AndanTEC 代表
- 1992年 北海道大学 工学部 合成化学工学専攻 修士修了
- 同年 富士写真フィルム 塗工を中心としたフィルム生産工程業務に従事
- 2007年 同社 フラットパネル生産部 主任技師(管理職)
- 2013年 サムスン電子 総合技術院 素材開発センター 主席研究員 新素材開発に従事
- 2019年 栗村化学 工程開発チーム長 粘着フィルム・離型フィルム等の工程開発
- 2021年 米国 Zymergen社 シニアマネージャー バイオ由来ポリイミド開発
- 2022年 ミドリ安全 商品開発部 ジェネラルマネージャー ニトリルゴム手袋開発
- 2023年 AndanTECとして執筆・講演・コンサル業を開始