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水の浄化と米国特許の概況

風・太陽・水と米国特許(4)

編集作成 2009年6月6日
日本アイアール株式会社
知的財産活用研究所
編集責任 篠原泰正

はじめに
飲める水の確保は世界で最重要の課題となっています。
ここでは、水をきれいにする装置、システム、および方法に関する米国特許の全体を眺めることにします。これはしかし、本当に「概況」ですから、より掘り下げた全体像の把握は今後の課題として残ります。人類にとって極めて大事な水の浄化は、発明技術の激戦地なのでしょうか、それともほとんどの技術は出尽くしているのでしょうか。

4.水の浄化と米国特許の概況

(1) 水の浄化(purification)全般

1)クレームの中に、「water」、および「purification」あるいは「purify」という単語を含む特許は3,778件あります。

2)国別
この内、譲渡人の所在地が日本である特許は388件(約10%)で、ドイツは日本より少し多い437件(約13%)となっています。

3)仕様書全体
特許仕様(クレームは含まず)の記述の中に「water purification」、あるいは「purif$ water」という言葉を含む特許の数は5,975件ありました。

(2) ろ過または沈殿方式による水の浄化

1)クレームの中に、「water」、および「filtration」あるいは「sedimentation」という単語を含む特許は5,812件抽出されました。

2)国別
この内、日本は587件(約10%)、ドイツは452件(約8%)となっています。

3)仕様書全体
特許仕様記述の中に「water filtration」あるいは「water sedimentation」という言葉を含む特許は3,068件ありました。

(3)海水の真水化

1)クレームの中に、「desalination」あるいは「desalinate」という単語を含む特許は予想よりも遥かに少なく、わずかに290件でした。

2)仕様書全体
しかし、仕様書の記述の中に上記の単語を含むものは3,026件あるので、これらは直接ではなくとも何らかの形で海水の真水化に関連した特許であろうと思われます。

3)国別
上記の3,026件の中で、日本は332件(約11%)、ドイツは260件(約9%)となっています。

(4)塩素による浄化

1)上水道の供給でもっとも一般的に用いられている塩素による浄化に関連するものとして、「water」および「chlorination」の単語をクレーム何に含む特許は322件でした。

以上