
セラミックス材料ユーザーのための焼結プロセス知識
《研究・開発から製造プロセスまで》
講座概要
本講座はセラミックス材料について材料選定や、使用条件設定をしたい方、トラブルシューティング情報が欲しい方、メーカーとの改善検討したい方、セラミックスの取り扱いについて肌感覚を得たい方など、ユーザー視点で工業用セラミックスに関する知識を得たい方に役立つ、セラミックス焼結プロセスの理論から応用までを体系的に学べる内容です。
まずセラミックス材料の特性を材料の枠組みにおいて比較することで、その特長を掴むとともに、焼結プロセスの役割や概要を把握し。続く詳細説明の理解につなげます。
次に焼結プロセスの基礎理論を熱力学的・速度論的な視点で順に追うことで、焼結プロセスがどこを目指しどのように進んでいくものか、などより詳細の理解を得ます。
またセラミックス材料の機械的特性、熱的特性、化学的特性、電気的特性など種々の特性が、構造とどのように関係するかも理解していきます。
さらに特性や構造を実現する焼結プロセスが、具体的にどのようなパラメータで制御されているかを見ていきます。実験室での研究、製造プロセスでの操業における特性制御や品質管理の実践方法を、事例を見ながら理解します。
最後にセラミックスメーカーとの協業において必要な視点を考え、そのヒントを「変更管理」という切り口で提示します。
セラミックス材料の選定や使い方を改善し、自社内あるいはセラミックスメーカーとの協業をスムーズかつ効果的に行うための実践的なスキルを習得したいセラミックスユーザーの皆様に最適でお勧めな講座です。
《期待される効果》
- 焼結プロセスの基礎基本を学ぶことができ肌感覚を得ることができる
- セラミックスのカタログ値についてより深く理解できるようになる
- セラミックスメーカーとの協業がスムーズかつ効果的に行えるようになる
《主な受講対象者》
- 広くセラミックス材料のユーザーの方
- とくに研究開発職、その他の技術職においてセラミックスの材料特性についてより深く知りたい方
《セミナープログラム(予定)》
1.セラミックス材料の基礎知識と他材料と比較した際の特長
1.1 セラミックス材料の定義と基本特性
1.2 三大材料と比較した際のセラミックス材料の特長
1.3 焼結プロセスの分類
1.4 焼結プロセスの一般的なフロー2.セラミックス材料の焼結プロセス基礎理論
2.1 熱力学的および動力学的原理
2.2 焼結プロセスにおける拡散機構
2.3 焼結のモデル
2.4 焼結速度論と制御手法3.セラミックス材料の特性と構造の関係
3.1 セラミックス材料の特性と構造の関係についての概観
3.2 機械的特性と構造
3.3 熱的特性と構造
3.4 化学的特性と構造
3.5 電気的特性と構造4.焼結プロセスにおける構造制御パラメータの効果
4.1 原料特性の効果
4.2 前処理条件の効果
4.2 焼結条件の効果
4.4 後処理条件の効果
4.6 構造制御パラメータの設計指針
4.7 製造上の典型的な課題とその解決策5.セラミックス材料の特性制御・品質管理の実際
5.1 焼結プロセスの特性制御(研究・開発)
5.2 不良品発生時のトラブルシューティング
5.3 焼結プロセスの品質管理(製造)
5.4 製造における構造制御パラメータの変動要因と対策6.セラミックスメーカーとの協業
6.1 協業を考える際に必要な視点
6.2 変更管理からみる協業
6.3 セラミックスメーカーとユーザーの協業における変更管理7. まとめと展望
講師プロフィール

福井 剛史(ふくい つよし)
技術士事務所ALEITA 所長
2009~2024:三菱ケミカル株式会社 (旧三菱化学株式会社)
2025~:技術士事務所ALEITA
大手総合化学メーカーの研究所及び工場にてセラミックスという「1つの材料系」に対して、研究、事業開発、製造という取扱物量や特性制御の方法や評価指標等が異なる「3つの職務」に約15年間従事。豊富な実務経験と高度な技術的知見を有している。
日本技術士会会員、日本化学会会員、水素エネルギー協会会員、日本労働安全衛生コンサルタント協会会員、JDLA会員など
資格
- 技術士(化学部門)
- 基本情報技術者