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第八章 「MC法」による「開発成果展開マップ」の効果

第八章 MCによる「開発成果展開マップ」の効用

1.発明提案書としての「開発成果展開マップ」

MCによる「開発成果展開マップ」を完成することで、発明情報として記載すべき「発明の目的」、「発明の構成」、「発明の作用」、「発明の効果」の四要素と、これらの下位概念に当る「従来技術とその問題点」、「具体例、変形例、応用例の構成」、「具体例、変形例、応用例の作用」、「具体例、変形例、応用例の効果」のすべてが記載されることになるから、発明者は発明の位置づけを明確にした発明提案書が完成できます。

仮に「開発成果展開マップ」の項目で十分な記載がなされていないものがあったとしても、発明の構成要素である四要素の「発明の目的」、「発明の構成」、「発明の作用」、「発明の効果」という対応関係をたどることでその内容を推測できるので、特許担当者および弁理士は発明の内容を的確に把握できます。

特に、空間配置された「開発成果展開マップ」の場合には、一定の規則の上に一覧表示されているため、その対応関係を直感的かつ速やかに捉えることができます。そのため、特許担当者および弁理士は、提案された発明を特許出願する場合に、その発明の上位概念化に専念できます。特許担当者は、特許出願に際し経営戦略との整合性のチェックに専念できます。発明者が逐一「開発成果展開マップ」を作成していれば、特許担当者は発明の経過状況を知ることができるため、当該技術分野の情報に基づいて適時に適切な開発の方向性を示すことができます。

発明者は、従来のように面倒な発明提案書を作成しなくてよいため、発明に専念できるとともに開発成果を客観的かつ正確に捉えることができます。発明者、特許担当者、弁理士が一目瞭然の共通言語(共通のルール)によるコミュニケーションが可能となるため、各業務の連携が円滑になり無駄な時間が省け出願費用のコストダウンが図れます。

2. MEMODASの効用

MC法をパソコンでできるようにした「MEMODAS」というアプリケーションソフトがあります。発明者がこの「MEMODAS」を使用して、日々の気づきをメモ感覚で入力すれば、自動的に気づきメモのデータベースが構築されていきます。蓄積されたメモは、読み返したり、書き換えたり、位置を変えたりすることで、新しい気づきを生み出すアイデアデータベースが構築されます。

自分の思考過程がそのままディスプレイに表示され、その過程を逐一確認しながら納得できるまで思考のシミュレーションができます。そして、MC法による「開発成果展開マップ」を発明提案書として採用した場合には、「MEMODAS」による発明情報データベースが構築されます。

「MEMODAS」では、思考過程がそのまま記録されますので、思考をいつ中断してもその後の追跡が容易であり、自分の思考過程を他人に見せることで有効な意見が得られることもあります。

【MC法の考案者・MEMODASの考案者】
著作者:長谷川 公彦
お断り:著作権法により無断の使用は禁止されています
長谷川 公彦の講座紹介

http://www.memodas.jp/?p=140