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第二章 MC法と特許明細書との関係

第一章 MC法とは

1.MC法の用途

MC法に限らず、「フラクタル思考法」の用途は多様です。情報収集、個人のスケジュール管理、人生の計画、会社経営、新しい概念の理解にとどまらず、新しい概念の創造や法律問題の検討にも使用できます。

私の専門分野が発明・特許ということもあってMC法の活用事例は、①特許明細書案の作成、②発明技法、③パテントマップ、④条文の解釈、⑤特許用語辞書、⑥発想支援辞書、⑦特許解析、⑧知的財産管理等、いわば知的財産分野への応用事例が多くなっていますが、これらに限られるわけではないことを付け加えておきます。

特に、プレゼンテーションのツールとして最適ではないでしょうか。

私は、セミナーの講師を依頼された場合には、このMC法でセミナーの企画を練り、MCで資料を作成してOHPシートにコピーして使っています。その結果は、受講者から内容がわかりやすいと好評です。これも、フラクタル思考の基本図形に隠された一目でわかる表現力のお陰ではないかと思っています。

コミュニケーションのツールとしても役立ちます。特に、以下に説明しますMCで組立てた発明説明書は、発明者と特許担当者や弁理士とのコミュニケーションに最適だと考えております。

2.特許明細書案とは

以下、MC法を利用して特許明細書案を作成する場合について説明します。ご承知のとおり特許明細書は、「特許は明細書に始まり明細書に終わる。」とまで言われるように、特許の世界では最も重要な書類です。したがって、本格的に特許明細書を論じるようなことは、私にはできません。

しかし、創造という観点で特許を見てみると、特許明細書は、発明という名の創造行為の結果をまとめた「発明の説明書」と考えることができます。発明の説明書ということであれば、発明した者が一番その発明の内容を知っているわけですから、発明者こそが特許明細書案をまとめる適任者といえます。

まず、このような切り口で気楽に考えてみようというのが私の提案です。実際に特許庁に提出する特許明細書については、専門家である弁理士さんにお手伝いしてもらうことになります。かといって、内容がいい加減ということではありません。むしろ、強い権利を取得するために必要な、発明の上位・中位・下位概念をもれなくチェックする手順が組み込まれていますので、専門家の方々のとって実際の特許明細書にする際の拠り所になるしっかりとしたものが完成できます。

特許明細書案としては、特許明細書のスタイルに合わせたものも提供できますが、MC法を利用した特許明細書案作成という観点では、発明(=開発成果)を十分に展開した「開発成果展開マップ」を作成することを主眼とします。特許明細書案は、「開発成果展開マップ」をMC(マトリックス・カード)で作成することが最初で、その後で必要に応じて、特許明細書のスタイルに変換することになります。

なお、パソコンを使って「開発成果展開マップ」や「特許明細書案」を作成したい方は「MEMODAS」というMC法のアプリケーションソフトをご利用ください。
(製造・発売元:日本アイアール株式会社 TEL:03-6206-4966)

http://www.memodas.jp/