6%の責任、あるいは知恵のオープンソース化
6%の責任、あるいは知恵のオープンソース化
地球温暖化の主たる原因である二酸化炭素を、日本は毎年、世界の6%を排出してきた。多分、この30年間、この比率は変っていないだろう。
このことは、気象異変(Climate Change)に伴う地球破壊に6%手を貸してきたことを意味する。つまり、6%の責任(負債)を世界に対して背負っていることを意味する。この6%の責任の多くは、産業界などで中核であった現在40歳以上の世代が背負うべきものであろう。わっせ、わっせとやってきた「つけ」である。したがって、60歳定年になったから余生を楽しみますなんて、リタイアしてもらってはこまるのだ。行ってきた「オトシマエ」はつけてもらわねばならぬ。
話がそれそうなので、本筋に戻すと、6%の責任をどのようにして返済するか、その方法を考えなければならない。
その方法の一つは、この壊れていく地球で生き延びるために有効であろう、ありとあらゆる知恵を世界に公開することにある。日本の知恵を「オープン・ソース Open Sources」化して世界に提供する。
もうひとつは、環境難民を日本列島にわんさと受け入れることで、責任を果たすことであろう。今回発表された国連のIPCC報告(Working Group II)を見ても、地球上には、人が住めなくなる地域が急速に増えてきそうであるから、日本は「罪滅ぼし」のためにも、難民を受け入れなければならなくなる。
本当かと思われる人もいると思うので、英語の勉強を兼ねて、このIPCC本年2回目の(3回目は5月に出る予定)報告で何が予測されているか、文章をいくつか拾ってみよう。
1. Fresh water resources
In the course of the century,
water supplies
stored in glaciers and snow cover
are projected to decline,
reducing the water availability
in regions
supplied by melt water
from major moutain ranges,
where
more than one-sixth
of the world population
currently lives.
山の氷河や積雪の雪解け水に頼ってきた地域での水の供給は減っていくと予測される。その該当地域は世界の人口の6分の1以上を抱えている。
地球人口の6分の1といえば約10億人となるから、この一つの文章からだけでも、容易ならぬ事態であることが察せられるであろう。
自分の行動には責任をとるのが「サムライ」の基礎であるから、もし日本人がサムライなら、6%の責任はとらなければならない。日本を含む先進諸国が引き起こした天変地異のお蔭で生活の土地を失った人に、生活の場を提供することもその一つである。
(07.04.09 篠原泰正)