記事・コラム

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コンテナ発電機、あるいはCIAもグリーンエネルギー?

コンテナ発電機、あるいはCIAもグリーンエネルギー?

売れる製品のコンセプトは単純かつ明快
単純明快なコンセプトの下で明快な論理展開が図れる

昨日、面白い記事を読んだ。アメリカヴァージニア州にある小さな開発会社が製品化した太陽光と風をエネルギー源にしても移動設置可能の発電装置に眼をつけて、かのCIAがその会社にベンチャー資本を投資した、というニューズである。

SkyBuilt Power Inc.

has begun building

electricity-generating units

fueled mostly by solar and wind energy.

–The Christian Science Monitor, Oct. 18, 05– より引用

スカイビルトパワー社は
大部分を太陽光と風をエネルギー源とした発電装置の
構築を始めてきている。

英語の勉強(1):beginとing形と現在完了形の組み合わせ;以前から取り組んできて今もワッセワッセとやっていることを表す。

The units,

which use a battery backup system

when the sun is down and the wind is calm,

are designed

to run for years with little maintenance.

-同上-

太陽が沈み、また、風も弱い時のために
バッテリーバックアップシステムを用いているその装置は、
ほとんど保守なしで何年も稼動するように
設計されている。

英語の勉強(2):その装置はXXを実現するように設計されている、という事実関係を、状況として表現している。

Privately owned SkyBuilt

now has

a new investor-In-Q-Tel,

a venture capital firm

set up by the US Central Intelligence Agency.

株式を公開していないスカイビルト社は
米国CIAによって設立されたベンチャー資本会社、
「インQテル」という名の新規の投資者を
今や持つに至った。

なぜCIAがこの会社に注目してバックアップすることに決めたのか。

同社の製品は、一つの貨物用コンテナの中にすべての装置が収められており、運び込まれた先で、数時間で太陽パネルや風車を取り出し組み立て完了、稼動開始できるというスグレモノであるからだ。これによって、電気もない、ガソリンの補給もままならない戦場や災害地で、1セットあたり150kilowattsが得られる。アフガニスタンの山岳地でオサマ・ビン・ラデン(0sama bin Laden)を追っかけるにはピタリ必要な装置となる。(少し遅かったか。しかし、アフガンでなくともイエメンの高地でももちろんOK)。このコンテナは、輸送機から落下傘で降ろすこともできるそうだから、まことに結構というわけだ。

この前、アメリカの製造業は、軍需以外は死につつあるようなことを書いたが、このようなベンチャー企業がシコシコとグリーンエネルギー(green energy)の発電装置の開発に取り組んでいるのを聞くと、嬉しい。もっとも、真っ先にCIA様御用達となると、これもまた軍需製品の一つに数えられることになる。製造業として、今、アメリカでもっとも確実な商売は、軍需関連の納入であることに変わりはない。

ともあれ、この製品(MPS: Mobile Power Station)が、災害地などに最適であることは明らかだから、世界中から需要があるだろう。大いに頑張ってもらいたい。日本のメーカーもチャラチャラしたコンシューマーグッズばかり追っかけていないで、明日の地球と人間社会のための、生き残りのための、骨のある製品開発にもう少し力を注いでもらいたいものだ。

(05.10.20 篠原泰正)