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中国特許審査照会システムの変更について《2023/3/22更新》

中国特許庁の審査情報照会が新システムに移行へ

2023年2月、中国特許庁が提供している審査情報の検索・照会システムが新しくなりました。当記事の作成時点では新システムは「試験運用中」という位置づけであり、旧システムと二重で運用されています。

新システムの試験運用開始後、一時的に中国人以外による個人アカウントの取得が難しい仕組みになり、当社にも経過情報の監視業務に支障が出た企業様からのお問い合わせが多く寄せられました。

今回のシステム変更について、当社が確認している内容を簡単にまとめましたので、参考にして頂ければと思います。(試験運用中のシステム変更によって、最新状況と異なっている可能性があります)

旧システムのログイン画面について

日々の知財業務の中で使う機会も多かったと思われる旧システムの画面です。

中国特許審査紹介のログイン画面(旧システム)

画面の下(赤枠内)に、次のような記載があります。

本システムはデータの更新をすでに停止してます。1月26日以降に処理された業務は、新バージョンの中国多国特許審査情報照会システムに入って検索を実行してください(https://cpquery.cponline.cnipa.gov.cn)

新システムへのログイン方法(アカウントの作成)

中国特許審査照会・新システムのログイン

新システムを利用するにはログインが必要ですが、旧システムのアカウントは使用できませんので、新システムのアカウントを取得する必要があります。

新システムの試験運用開始後しばらくの間、個人アカウント作成をする際に、中国の携帯電話番号及び身分証明書番号の入力を求められる仕様となっており、日本国内から日本人がアカウントを取得すことは難しい状況となっていました。

しかし、2023年3月上旬ごろに、メールアドレスによるアカウント登録が可能となりました。

※新システムのURL: https://cpquery.cponline.cnipa.gov.cn

メールアドレスIDの取得方法

以下のサイトにアクセスして、日本語(もしくは英語)を選択します。
https://pss-system.cponline.cnipa.gov.cn/conventionalSearch

中国特許庁の検索画面(日本語を選択)

”登録する”をクリックします。

中国特許庁の検索画面(ユーザ登録)

以下の画面に変わるので、ここからユーザー登録をします。

中国特許庁サイトのユーザ登録

メールアドレスを登録して、IDを取得します。

中国特許庁のID取得
  • ①メールアドレスを入力する。
  • ②「認証コードの取得」をクリックする。
  • ③登録したメールアドレス宛に届いた認証コードを入力する。(認証コードの有効時間は60秒です)
  • ④パスワードを入力する。(パスワードは8~18文字で、数字、大文字、特殊文字を含む必要があります)
  • ⑤「登録」をクリックする。

次に、新システムのログイン画面にアクセスして、ログインします。( https://cpquery.cponline.cnipa.gov.cn )

中国特許庁検索システム_ログイン画面
  • ①登録したメールアドレスを入力する 。(自動的に大文字になりますが、気にしなくて良さそうです)
  • ②登録したパスワードを入力する。
  • ③「登録」をクリックする。
  • その後、画像スライド方法の認証をクリアすれば、ログイン完了となります。

試験運用中の通知

中国特許庁の審査照会システムが試験運用中

試験運用中である旨の通知画面の文面(日本語訳)

中国及び多国特許審査情報検索システムの新旧システム二重運転モードの通知

特許業務処理システムの立ち上げと連携するため、2023年2月1日(水)12:00 より新バージョンの中国多国特許審査情報照会システムの試験運用を開始いたします。

試運転中、2023年1月26日以降に処理された業務情報については、【確定】をクリックして本システムで検索を実行してください。2023年1月26日以前に処理された業務情報については、引き続き以前のシステム(http://cpquery.cnipa.gov.cn)で検索してください。
ご不便をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

国家知識産権局特許局 2023年02月01日

新旧2つの特許審査照会システムについて(現状のまとめ)

  • 旧システムには、2023年1月26日までの情報しかありません。
  • 2023年1月26日以降に更新された情報は、新システムにしかありません。
  • 新システムでも2023年1月26日以前の情報を一部閲覧できますが、完全ではなく、抜けがあること確認しています。
  • 新システムへの完全移行日は現時点では不明であり、旧システムをいつまで利用できるかも不明です。

多言語への翻訳機能について

中国特許審査照会_多言語への変換

下記画面は「日本語」を選択した場合の表示ですが、一部が自動翻訳されずに中国語が残る仕様になっています。(オレンジ色の枠)

ニーズが高い「進捗状況」も自動翻訳されなくなってしまいました。

中国特許審査情報照会システムで自動翻訳される箇所

具体的な書類名の表示に関しても、中国語のまま翻訳されないものや、日本語に自動翻訳されるものが混在しています。

通知書類の翻訳

当面は仕様変更も含めたアップデートが続く?

新システムの試験運用が始まって以来、様々な調整が行われているようです。今後も突然の仕様変更に気を付けて、状況推移をチェックしていく必要がありそうです。

 

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