記事・コラム

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氷河、あるいは水、水、水

氷河、あるいは水、水、水

私は本物の氷河(glaciers)を一度も見たことがない.見ないうちにこの地球上から氷河が溶けて消えてしまう公算が大きい.地球高温化によって、東京がトロピカルになっても、暑い暑いと騒ぐだけで命に別状はないだろうけれど、まっ先駆けて高温化の犠牲になりそうなのは、天然の貯水槽である氷河から、夏季に水を供給してもらっている二大地域、すなわちヒマラヤ(Himalayas)の氷河を水源とする5本の大河の流域の人々(中国、インド、パキスタン、バングラデシュなど)と、アンデスの氷河の水で生きているペルー、ボリビア、コロンビア、チリ、他の南米の人々である。

Andean glaciers

are melting so fast

that

some are expected to disappear within 15-25 years.

Snow and ice cover in the eastern Himalayas

has shrunk by about 30%

since the 1970s.

Of 150 glaciers

that once stood in Glacier National Park in the northern US,

only 27

remains.

The US Environmental Protection Agency

says  the biggest are a third the size they were in 1850.

Continued warming

could melt them completely

by 2030

冬場の降雨降雪が氷河地帯で蓄積されずにそのまま河に流れていけば、夏場に流れる水はなくなってしまう。作物ができなくなるから人々は逃げ出すしかない。

地下から水を汲み上げて畑に撒けばよい?残念ながら、この手はこの2、30年のグリーン革命(食糧の大増産)で行ってきたところで、おかげで、石油より先に地下の水の貯蔵が無くなりそうである。しかも地下水位が下がると「塩」が地上に上がってくるのだそうだ。塩が吹いた土地では何も実らない。まさに踏んだり蹴ったりである。

食糧危機が刻々と迫ってきているようだ。

(06.10.12 篠原泰正)